【徹底比較】河口湖 vs 富士吉田|移住するならどっちが暮らしやすい?

移住のヒント

「富士山のふもとで暮らしたい」
そう思って情報を調べると、よく出てくるのが河口湖富士吉田
どちらも富士五湖エリアにあり、観光地として有名ですが、「住む場所」としてはそれぞれに個性があります。

私自身、実際に河口湖エリアに移住して生活しており、周辺の街を訪れる中で、富士吉田とのちょっとした違いも多く感じてきました。

河口湖と富士吉田では、隣の地域にもなりますので、車で移動すれば10分もかからない距離感ですが、ちょっとした差を紹介していきます。

今回は、「河口湖 vs 富士吉田」という視点で、生活環境・交通・家賃・子育て・コミュニティなど5つのポイントから比較します。これから移住を考えている方の判断材料になればうれしいです。

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✅ H2-1:はじめに|河口湖と富士吉田、どんな違いがあるの?

位置・行政区・人口の違い

河口湖と富士吉田は、どちらも山梨県の富士北麓エリアに位置していますが、行政的には異なる自治体に属しています。

河口湖は現在、「南都留郡富士河口湖町(ふじかわぐちこまち)」という町の一部です。観光地として有名な河口湖周辺のほか、西湖や本栖湖も含まれ、面積が広く自然が豊富なエリアです。

一方、富士吉田市は山梨県の中で唯一の“市”としての自治体で、より都市機能が整っています。市役所・大きな病院・商業施設などが集まっており、「富士北麓の中心地」的な役割を担っている印象があります。

人口面では、富士吉田市が約44,596人、富士河口湖町は約26,439人(※2025年時点)。
富士吉田のほうが人口密度が高く、住民サービスや公共施設の面でも利便性がありますが、河口湖は観光地としても有名で、観光客の数は多い地域になります。

雰囲気や街並みの印象

フォレストモールから撮った富士山の景色

河口湖

河口湖は富士五湖と呼ばれる湖(河口湖・山中湖・精進湖・西湖・本栖湖)のうち山中湖以外の4つの湖が、富士河口湖町のエリアになります。
湖や山など、自然を求めに観光客も全国から集まるほど綺麗な景色がたくさんあります。

富士吉田

河口湖と同様、富士山の麓の地域になる富士吉田。
湖はないですが、同じように自然豊かであることは間違い無いでしょう。

また、河口湖に比べると富士吉田の方が街感はあるかなと思います。
病院、飲食店、役場、保育園や幼稚園、学校、などの数は、やはり人口に比例して富士吉田の方が多いです。


✅ 生活のしやすさを比較!5つの視点でチェック

① 買い物・お店環境

普段の生活用品や家具・家電といった生活に必要な買い物環境は富士吉田の方が揃っています。
特に家電量販店や家具のニトリなどは、富士吉田にしかありません。

また、飲食店の数もやはり富士吉田の方が多いでしょう。
河口湖も観光地としての人気が高く飲食店が増えてきましたが、地元の人が気軽に行けるような飲食店は少ない印象です。

地元民がよく使うお店・施設

👉河口湖
スーパー(オギノ、綿半)
フォレストモール(DCM、マックスバリュ、モスバーガー、スポーツデポ、DAISO)
ベル(セルバ、ドトールコーヒー、DAISO、丸亀製麺、ミスド、ココカラファイン)

👉富士吉田
スーパー(オギノ、セルバ、ザ・ビッグ、ベイシア、いちやまマート、業務スーパー、イッツモア)
ホームセンター(カインズ、DCM)
家電量販店(ノジマ、ヤマダデンキ)
Qスタ富士山駅(無印、DAISO、モスバーガー)
家具(ニトリ)
ドラッグストア(サンロード、ウエルシア、ドラッグセイムス)

② 交通アクセス

河口湖、富士吉田の交通アクセス
出典:ぱくたそ

車移動・公共交通(バス・電車)

電車やバスなどの公共交通機関に関しては正直、河口湖も富士吉田も期待はしない方がいいです。
特に、移住して住むとなれば必ずといっていいほど車が必須になります。
車がなくても生活はできますが、日々の買い物や移動などを考えると、住めるエリアはかなり狭くなるでしょう。

車移動で困る事といえばやはり渋滞ではないでしょうか。
渋滞に関しては、圧倒的に河口湖周辺が混雑します。
特に、お盆、GW、祝日、などの休日は常に渋滞しますので、河口湖に移住する場合はそのことも考慮して物件を決める方が失敗と感じないと思います。

甲府・静岡・東京への行きやすさ

東京へのアクセスは、車、バス、電車どれを選んでもあまり時間の差は変わらないです。

甲府へのアクセスは、河口湖が位置的に近いので10−15分ほど、富士吉田市より近いでしょう。

静岡(御殿場・沼津方面)へのアクセスは10−15分ほど富士吉田市からの方が早く着きます。
しかし、静岡でも朝霧高原・富士市エリアにアクセスが近いのは河口湖からになります。

河口湖富士吉田
東京へのアクセス車/バスで約1時間半ー2時間車/バスで約1時間半ー2時間
甲府へのアクセス車で約30-40分車で約40-60分
静岡(御殿場/沼津)へのアクセス
車で約40-50分※富士五湖道路利用時
車で約30-40分※富士五湖道路利用時
静岡(富士市)へのアクセス車で約40分車で約50-60分

③ 医療・子育て環境

病院の数・小児科

河口湖と富士吉田を「子育て・医療環境」で比べると、“都市型”の富士吉田と、“自然派”の富士河口湖町という印象の違いがあります。

医療面では、富士吉田市のほうが総合病院や小児科が充実しており、徒歩圏で通えるエリアもあります。特に「山梨赤十字病院」は設備も整っていて、妊婦健診・出産対応も可。

一方、富士河口湖町では、個人クリニックや町立の病院が中心で、車がないと通院がやや不便な場所もあります。ただし、静かで落ち着いた子育て環境を求める人には魅力的です。

教育面では、富士吉田のほうが学校数・選択肢が多く、通学環境も整っている印象。富士河口湖町は少人数制の学校もあり、地域密着の教育が受けられるメリットがあります。

比較サマリー(2025年時点・公的情報に基づく)

項目富士河口湖町(河口湖)富士吉田市
総合病院🟠 1つ(富士河口湖町立中央病院)🟢 2つ以上(山梨赤十字病院など)
小児科少なめ(個人医院中心)多め(市内に複数、小児科専門あり)
保育園・幼稚園公立+私立あり(比較的少数)市立+私立多数、選択肢多め
学校の数小中学校ともに少数・地域密着型小中高すべて揃い、学区も明確
支援制度出産・育児助成金あり助成制度+「子育て応援都市」として強化中
医療アクセス車推奨・エリアによっては不便市街地はアクセス良好・徒歩圏もあり

保育園・幼稚園・学校の選択肢

保育園や幼稚園、小中学校の選択肢という点でも、富士吉田市のほうが施設数は豊富です。
公立保育園や認定こども園、私立幼稚園まで選択肢があり、仕事のスタイルや家庭の方針に合わせて選べるのが魅力。

富士河口湖町は、園の数はやや少なめですが、少人数でアットホームな雰囲気の園が多い傾向にあります。自然が近く、静かな環境でのびのび子育てをしたい方には向いていると言えるでしょう。

小学校・中学校に関しても、富士吉田は学校数・学区が多いため、友達の幅が広がりやすく、通学距離の選択肢も豊富。一方、河口湖は地域密着型の小規模校が多く、落ち着いた教育環境が整っている印象です。

高校については、富士河口湖町には高校がないため、子どもが成長した後は富士吉田市や甲府方面への通学が必要になります。これは移住前に知っておきたいポイントです。

項目富士河口湖町富士吉田市
保育園・こども園公立+私立あわせて7園ほど(2025年時点)公立・私立・認定こども園含め10園以上
幼稚園私立中心(少なめ)公私立ともにあり、数も多め
小学校町立が数校(地域密着型・少人数)市内に6校以上(学区が細かく選べる)
中学校町立2校市内に4校前後(進学実績あり)
高校町内には高校なし(通学は富士吉田or甲府へ)富士北稜高校、富士学苑など複数あり

④ 家賃・住宅事情

富士吉田・河口湖の賃貸物件
出典:ぱくたそ

賃貸相場と物件の選びやすさ

賃貸物件の探しやすさや価格帯で比べると、富士吉田市の方が圧倒的に選択肢が多く、家賃もリーズナブルです。

河口湖は観光地ということもあり、別荘など多く、ファミリー向けの物件は少なめで、家賃相場もやや高め
特に駅周辺や湖の近くでは、民泊や別荘として使われている物件も多く、居住用物件が見つけにくい傾向があります。

一方、富士吉田市は住宅地が広く、地元の人向けのアパート・一戸建て賃貸が充実しており、1LDK〜3LDKまで価格帯も幅広く探しやすいです。

また、富士吉田市では「空き家バンク」や「移住者向けの賃貸紹介制度」も積極的に行っており、条件によっては敷金・礼金ゼロで入居できる物件もあります。

「できるだけ費用を抑えて移住したい」「選択肢の中から比較して選びたい」という方には、富士吉田のほうが向いているかもしれません。

比較項目富士河口湖町(河口湖)富士吉田市
賃貸物件の数少なめ(特にファミリー向けが多い)豊富(1K〜3LDKまで幅広くある)
家賃相場(1K〜2DK)約5.5〜7.5万円約4〜6万円
家賃相場(3LDK)8万円〜(数が少ない)6〜7.5万円程度(比較的探しやすく空きもあり)
物件の傾向観光地周辺・民泊化されたエリアも多い住宅地が明確、移住向け物件も豊富
空き家バンク件数は少なめ積極運用中(市HPや移住支援窓口あり)
敷金・礼金やや高め(敷礼2ヶ月以上の物件も)敷金礼金ゼロ物件も探せる

空き家の多さや傾向

空き家の数という点では、富士吉田市のほうが多く、移住者向けに活用されやすい状態です。

富士吉田では「空き家バンク」の運用が積極的で、市役所や地域おこし協力隊が移住希望者とのマッチングに力を入れており、住み始めやすい物件が見つかりやすい印象です。実際、売買だけでなく賃貸対応の物件も複数登録されています

一方、富士河口湖町にも空き家バンクはありますが、登録件数は少なめで、別荘や観光向けの物件が多く、生活向けの住宅は少なめ。また、地元の不動産会社を直接まわらないと情報が出てこないケースもあります。

本気で空き家を活用して移住を考えるなら、富士吉田の方が制度も整っており、支援制度やリフォーム補助も利用しやすいというメリットがあります。

項目富士河口湖町富士吉田市
空き家の数(推定)約1,100戸(総住宅の17〜20%前後)約2,400戸(総住宅の20%以上)
空き家バンクの運用自治体による登録あり・件数は少なめ積極運用中・移住支援サイトと連携あり
傾向リゾート物件・別荘の空き家も多い昔ながらの住宅地に点在・価格が安い傾向
売買・賃貸の両対応売買中心売買+賃貸の両方あり(移住者向け支援も)
登録物件の状態手入れされていない物件も散見状態良好なものも多くリフォーム支援制度もあり

⑤ 地域コミュニティ・移住者受け入れの雰囲気

富士吉田の火祭り

外から来た人に対する空気感

移住をする上で大事なのは、地元住民の受け入れや空気感も大事ではないでしょうか。
近所付き合いやトラブルなどなく、快適に過ごしたいですよね。
地域に溶け込めるかどうか、いわゆる“移住者に対する空気感”は、街によって違いがあります。

富士河口湖町は観光地として全国から人が訪れる土地柄もあり、外から来た人に対して比較的オープンな雰囲気があります。ただし、エリアによっては昔ながらの集落文化が残っており、自治会への参加や清掃活動など、地域のしきたりを尊重する意識が強い所もあります。

一方の富士吉田市は、地元出身の住民が多く「閉鎖的では?」と思われるかもしれませんが、実際には子育て世代や若者の移住が増えており、移住者向けの相談窓口や地域交流の機会が充実しています。

特に「地域おこし協力隊」や子育て支援NPOなどの活動が活発で、“生活者として根を下ろしたい”という人には富士吉田のほうがコミュニティとの接点を持ちやすいかもしれません。

観点富士河口湖町富士吉田市
外からの人への空気感観光客慣れしていてオープンな印象。ただし地域によっては距離感あり元々の住民が多く地元色が強め。ただし移住者支援の動きは活発
移住者との交流のしやすさ自然系や趣味つながりの交流が主。二拠点・別荘民も多い地域イベントや子育て世代向け支援が多く、「生活者としてのつながり」が作りやすい
地元コミュニティの強さ農村地域に近い場所は伝統行事や自治会が根強い商業エリアが多く、地域活動の自由度が高め
単身 or 子育て世帯単身やセカンドハウス利用者が多め子育て・定住世帯の移住者が多め

祭りや地域イベント

観点富士河口湖町富士吉田市
代表的な祭り河口湖湖上祭(花火大会)、勝山火祭り吉田の火祭り(全国的に有名)、吉田のうどん祭り
規模感観光向けが中心。地域参加型はやや少なめ地元密着型が多く、住民参加率が高い
移住者の参加ハードル民宿・観光業に関わっていれば参加しやすい地元の学校・町内会経由で自然と関われるイベントが多い
年間のイベント数花火・自然体験系がメイン(少なめ)季節ごとに大小イベント多数(運動会、地域マルシェ等)
地域コミュニティへの影響観光客との交流が中心住民同士の顔の見える関係性が作りやすい


✅ 実際に住んでみて感じたこと(筆者の体験ベース)

河口湖の夏の富士山景色

河口湖に住んで感じたこと

メリットデメリット
自然豊かで過ごしやすい観光客が多く渋滞やお店の混雑
必要最低限の物は揃ってるので住みやすい外食や飲みに行きたい時は富士吉田まで行く
アウトドアがしやすいガソリンや飲食店が観光地価格

河口湖、富士吉田に限らず、どの県に住んでも、なにを重視して住むかで住みやすさなどは変わると思いますが、生活する上で必要最低限の物は河口湖でも揃っているので特に不便は感じない。

例えば、河口湖にはなくて富士吉田にはあるお店などもあります。
ニトリ、家電量販店、無印良品、などなど。
しかし、河口湖から車で10-15分ほどで行ける距離なので、生活に困ることはないでしょう。

また、必要以上にご近所付き合いなどもないと思います
お隣さんや近所の人に会えば、挨拶をするくらいで、それ以上のことはなにもない。
地域の集まりや、清掃なども今までしたことはなく、あるのかどうかすらわからないですね


✅ 結論|移住するならこんな人におすすめ!

河口湖が向いている人

  • アウトドアが趣味
  • 自然豊かな場所にゆっくり住みたい
  • セカンドハウス、二拠点生活を楽しみたい方

河口湖でのバス釣り、キャンプ、サイクリング、ウォーキングなどアウトドアが趣味な方、休日を大事にしたい方は河口湖が向いてるかもしれません。

リモートワークやセカンドハウスを持つ方も増えています。
「安い賃料で広い部屋を借りてリモートワークを充実させる」「週末は田舎でゆっくり自然の中で過ごす」そんな方も河口湖には合ってるかもしれませんね。

富士吉田が向いている人

  • 生活の利便性を重視したい
  • 子育て中の家族やこれから子育てを考えている
  • 地域の交流を深めたい
  • 空き家バンクを活用したい

外食や飲みに行くのが趣味な人は富士吉田が合っているでしょう。
河口湖よりも富士吉田の方が圧倒的に居酒屋や焼き鳥屋が多く自分の好きなお店を見つられる

保育園、幼稚園、学校や医療体制も整っているので、子供のことを考えて決めたい方は富士吉田が住みやすいのではないでしょうか。

住む家にこだわりを持つ方は、圧倒的に物件数が多い富士吉田の方が、自分好みの住まいが見つかると思います。
タイミング次第では河口湖にも掘り出し物件があるので、どちらもチェックはしてみてもいいかもしれませんね。